| 絵本と童話の店おおきな木 店主のコラム | ||||
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秋も深まって来ました。紅葉のシーズンです。岐阜県の平野部では11月後半が見頃ですが、奥美濃や飛騨地方は10月半ばから紅葉が始まっています。そこで先日、野外塾(当店主催)初のプログラムとして奥飛騨温泉郷で「紅葉温泉キャンプ」をしてきました。
天気予報はあいにく二日間とも雨模様。集合場所でバスに荷物を積み込むときにはもう降り出していて、覚悟を決めて出かけました。ところが飛騨の方はほとんど雨は降っていなくて、平湯トンネルを抜けたあたりからは見事全山紅葉です。そしてキャンプ場に着くと散り際の紅葉ががんばっていて、地面はモミジの絨毯が敷かれています。しかし、そんな景色にうっとりしているのは大人だけで、子どもたちはそんな気配は全くなく、まずお風呂に行きたいばっかりです。
そう、このキャンプ場には露天風呂が付いているのです。子どもは家のお風呂にはたぶんそんなに喜んで入っているとは思えませんが、露天風呂は別格なんで しょうね。友だちとワイワイ大騒ぎしながら入ることもできますしね。しかし、雨が降ってくると困りますから、その前にテントの設営です。と言っても慣れた 子たちが大勢いますから、すぐにテントも立ち、それーっとばかりに露天風呂へと駆けていきました。
このキャンプ場は、ミズナラの大木の他、クルミやクリの木がたくさんあります。もうクリのシーズンは終わったかなあと思っていたのですが、なんとたくさ ん落ちているではありませんか。それで子どもたちはビニール袋にクリを集め始めました。野生のクリ(山栗)ですから、品種改良をされた栽培もののように大 きくはありませんが、味はひけをとりません。野外塾の子たちは今までにもこの季節になると山栗を味わってますから、おいしいことを知っています。
この大量にとれたクリは、80?90℃の源泉に1時間ほどかけ流しにしておきました。すると、ちょうどいい加減にゆで上がり、ちまちまと皮をむいていただきました。そして誰かが「栗ご飯作ってー!」と叫んだことで、夜のメニューも決まりました。
お母さんたちとも話していたのですが、学校の野外学習なんかになったら、こうした「行き当たりばったり」的なことはあり得ないんでしょうね。周到な準備 をして、あれもこれもと課題を作っていきますから、たぶん風呂に入る時間なども決まっていて、今回のキャンプのように、多い子は7回も8回も露天風呂に 入っているんですが、こんなことはたぶんできないと思います。それに、食事のメニューもきちんと決まっているでしょうから、急に、拾ったクリで栗ご飯を作 るなんてこともできないでしょうね。
野外塾ではいつのころからか、「働かざる者喰うべからず」という掟(?)がありますが、みんなで仕事をするとき以外は基本的に自由。今回参加したメンバーは34名で、小回りのきく丁度いい人数ということもあるのですが、自然相手ですから予期せぬことが起こるのは当たり前。行き当たりばったりで行動を決 めて行くというのは理にもかなっているわけです。大切なのは、課題をこなすことではなく、目の前にいる子どもたちとちゃんと向き合っていくことなんですよね。
いつも夜の宴会(?)を盛り上げてくれる5年生の仕切り屋男子がいるんですが、「学校でも同じようにやってるの?」と聞いたら、「学校では係が決まっているからできないんだ」と…。なるほどね。
執筆 杉山三四郎
(おおきな木つうしんより)